逆風に立ち向かった日々
スマートフォンが日々の暮らしに浸透してから、腕時計を使わない若者が増えました。ここ数年、腕時計の市場環境は激変し、われわれもシニア世代へのプロモーションに力を入れるなどの施策を打ち出しました。そんなところに襲ってきたのがコロナ禍です。人々は外出を控え、百貨店は営業を休止するなど、まさに想定外の連続となりました。コロナ禍にあって腕時計など二の次、三の次と受け止められたのも仕方のないことでした。
当時私は国内営業統括部に所属し、国内での販売・利益計画策定、各種施策の実行など、国内の業績を管理していました。それまで予算と実績が大きく乖離することは少なかったのに、緊急事態宣言が発出されてからは業績も想定外。ほんの少し先の販売計画も簡単に崩れる状態に直面したのです。そこでチーム一丸となって利益を確保して最大化する方法を模索し、試行錯誤しながらも新しい販売戦略や原価管理、経費管理の仕組みを導入していきました。この経験によって私は、形式にとらわれず、さまざまな視点から情報提供できる管理会計の真価に触れ、一回り成長できたように感じました。また、こんなに厳しい状況でも仕入れを続けてくれた販売店様や、足を運んでくれたお客様がいたことに、SEIKOがいかに深く愛されていたかを改めて知りました。