日本から世界へ
確実にお届けするために
2021年入社/国際教養学部国際教養学科卒
2022年入社/経済学部経営学科卒
セイコーの商品を
世界の販売店へ
──SCM推進部の役割について教えてください。
D.S セイコーウオッチに入社するまでSCM推進部のことを知りませんでしたし、配属された当初もどんな業務を担っているのか、わかりませんでした。きっとこれを読んでいる学生の皆さんも、SCM推進部の詳しい仕事はイメージしづらいのではないでしょうか。一言で言うとSCM推進部とは、セイコーの商品をいかに無駄なく市場にお届けするかという役割を担っています。もう少し具体的に言うと、現地の販売店からオーダーを取り、それをもとに製造側に発注し、納品された商品の出荷手配と輸送手配を行っています。海外の販売店と接する機会が多いので、現地法人とはメールできめ細かく連絡を取り合っています。
Y.W 難しいのは、腕時計というのは製造に時間と手間がかかるということです。そのため発注オーダーの数字が固まる前に需要を予測して、製造へ発注することが必要になります。特に新製品ともなると、過去の実績がありませんから、同じようなモデルの数字を参考にしながら、ある程度の見込みのもとで発注しなくてはなりません。予測に際してはシステムを使用して、できるだけ実際のオーダーに近づけるようにしています。理想的なのは、製造した腕時計の数と各国の販売店で売れる数が同じことですね。もちろん現実にはあり得ませんから、いかに正確に予測するかがポイントになります。予測が当たったときは本当にうれしいです。
チャレンジできる文化がある
──とても重要な仕事を、若手のうちから任せられているのですね。
D.S そう思います。私はまだ入社1年目。それなのに非常に責任の重い仕事を担当させてもらっていると感じます。もちろん最初から完璧を求められることはありません。例えば国や地域によって好まれるデザインは違いますから、正しい需要予測を立てるには、そうしたニーズの違いについての知見が不可欠となります。それは数多くの経験を重ねることで培われてくるものでしょう。
その点でうれしいのは、セイコーウオッチにはチャレンジさせてくれる文化があることです。たとえ1年目の社員であっても、自分で考え、自分の思った通りにやらせてもらえます。もちろん経験が浅いので、需要予測が外れることは珍しくありません。けれどそのことに対して叱られることはなく、次のチャレンジにその失敗を活かせばいいと言われます。若手だからこそ、こうした環境が成長につながると感じています。
Y.W 私は最近、補材業務に携わるようになりました。補材とは、腕時計を収める箱や、中に一緒に入れる説明書、保証書などのことです。腕時計の発注と同時にこれら補材の発注も行うため、その管理は簡単なことではありません。時には輸送中に箱にキズがつくこともあり、その問い合わせ対応や交換の手配などに追われることも。常に多くの業務を並行しているという実感があります。
自分が担当している地域で売れ行きがよかったり、追加で注文が来たりすると需要が増えていることを実感しますし、日本のものづくりを代表するブランドに携わっているやりがいを感じます。SCMの仕事は、商品の流れをスムーズにするための縁の下の力持ちです。決して目立つことはないですが、裏方として支えているという実感が誇りにつながっています。
心地よいコミュニケーション
──今後の目標について教えてください。
D.S 私が今までで一番印象に残っているのが、実はSCM推進部に配属された初日のことです。先ほどもお話ししたようにSCM推進部でどんな仕事をすることになるか、よくわからず、不安な気持ちのままでの配属でした。非常に緊張していたと思います。そうした様子を職場の先輩たちが気にかけてくれたようで、ランチに誘って、いろいろと話しかけてくれました。おかげで緊張もほぐれ、だいぶリラックスできたと思います。
今でも仕事でわからないことがあれば気軽に質問できますし、先輩も仕事中の手を止めてちゃんと向き合って教えてくれます。こうした環境が、セイコーウオッチならではの居心地のよさにつながっているのでしょう。
周囲の先輩方の期待に応えるためにも、まずは社会人としてひとり立ちし、セイコーウオッチの社員としてふさわしい立ち振る舞いを身につけることが目標です。
Y.W 初日のSさんのことはよく覚えています。私も一緒にランチに出かけ、緊張をほぐすためにいろいろとお話をさせてもらいました。
セイコーウオッチでは、仕事の場面では先輩も後輩に対してきちんと敬語を使って接してくれます。ランチなど、仕事以外の場面ではくだけた口調のトークになるのですが、仕事では敬語を使うのが普通です。メリハリあるコミュニケーションが自然に行われていて、それが私にはとても心地よく感じられます。
私もSさん同様、目の前の一つひとつの仕事に打ち込み、迅速かつ丁寧にこなせるよう、力を磨きたいと考えています。しばらくはSCM推進部での業務で専門性を身につけていきたいですね。
競合するブランドは世界中にあります。その中で日本のものづくりを代表するブランドとして、オンリーワンの価値をもつブランドに育てていきたいと思います。海外物流の管理という今の仕事は、そうした目標に貢献するものです。
スイスなどの時計に負けないブランドとして、もっと知名度を上げていきたいと思います。そのために海外に出て行く商品たちが滞りなく出荷できるよう、一つひとつの業務を大切にしていきます。「腕時計が欲しいから」ではなく「セイコーが欲しいから」と言われることを大切にしたいと思います。