現代の技術で蘇ったキングセイコー“KSK”は、長年の腕時計づくりで培われた加工技術を駆使して高いクオリティを実現しています。外装においては主にステンレススチールの研磨により、光を美しく反射させることで存在感を高めているのが特徴です。時に鋭く、時に柔らかく、華美にはならず見る者へ気品を感じさせる妥協のない外装技術をひとつひとつご紹介します。
スラッと伸びた直線の美を印象付ける4本のかん足は、上面を筋目に磨き上げながらも斜面と側面は鏡面仕上げにすることで、さまざまな角度からの光を捉えるようにデザインされています。一見シンプルに見えますが、それぞれの面をバランスよく研磨する、高い技術を必要とします。
それぞれの稜線は光の筋のようにシルエットを浮き立たせ、キングセイコーの持つ気品を体現するようにデザインされています。
2代目キングセイコー“KSK”からインスパイアされた象徴的なアイコンともいえるのが、ライターカットが施された12時位置のインデックスです。インデックスの天面に、細かくカッティングされたピラミッド状の凸凹が複雑な明暗を生み出し、また中央の稜線が鋭いきらめきを放ち、視認性を高めます。
シンプルな美しさを表現したキングセイコーのデザインにおいて、華やかな意匠を感じさせながらも、キングセイコーたる特徴を演出するこだわりの技法となっています。
時分針には、キングセイコーとして特筆すべきデザインが施されています。一見すると非常にシンプルかつ簡素な印象すら抱くかもしれませんが、そこには緻密に計算された微細な表情の変化を見ることができます。
鋭く伸びる時分針は、面を3つ設けた3面カットの針として仕上げています。暗いところでも、一瞬の光の筋を放ち高い視認性を確保できるよう、手間のかかる工程を経てキャリバー6L35搭載モデルにのみ採用されています。
ドライブ中にトンネルへ入るとき、暗い映画館でキングセイコーに目を落としたとき、そうしたふとした瞬間にキラリと光が走る。針の他、インデックス、ケースやかん足といった細部に上品な輝きを宿すその時こそキングセイコーの確かな技術を感じられるでしょう。
しっとりとしたシルバーダイヤルは、実は放射状の筋目が施されており、そのため柔らかい光を反射するようにできています。また時分針やインデックスの上面を鏡面仕上げにすることで黒く見え、ダイヤルとのコントラストが出て視認性を確保。長年使っても飽きのこない、まさに王道のモデルとなっています。
シルバーダイヤルのSDKA005とは異なり、針とインデックスの上面を筋目に磨くことで明るく見えるようにして視認性を高めています。定番のブラックダイヤルに見える一方、実は光の角度によって青味がかった表情へ変わるように設計されるなど、こだわりの詰まったデザインとなっています。
サイドからキングセイコーを眺めると、カーブのかかったレトロなボックスガラスを携えているのが見てとれるでしょう。クラシックな雰囲気を残しつつ非常に傷がつきにくいサファイアガラスを採用しています。また、現行のセイコーの最薄自動巻キャリバー6L35を搭載したモデルは、ケース構造と風防を改良することによって、手巻であった2代目キングセイコー“KSK”のオリジナルモデルよりも0.2mmの薄型化を実現。スーツでの着用など、なるべく袖にかからない実用性を重視しています。
そしてキングセイコーは腕時計の本質を追求しています。「いいものを、長く使い続ける」という考え方に沿い、メンテナンス性を高めるためケースを分解できるように設計しました。オーバーホールを行う際には外装をライトポリッシュすることも可能であり、いつまでも美しくキングセイコーを着けることができます。
キングセイコーは名前の通り「王(KING)」からインスパイアされています。そのイメージを具現化するなかで採用されているのが、りゅうずや裏ぶたに刻印された“盾”をモチーフとしたブランドマークです。このブランドマークは当時のアイコニックなシルエットを継承しつつも、よりフラットに、モダンに刷新されています。
1961年の誕生以来、連綿と続くキングセイコーの系譜を象徴するブランドマークの輝き。それを感じることで、堂々と自分の道を進む人のための道標となってくれるでしょう。
腕時計は時間を計る道具であると同時に、装着者のこだわりやライフスタイルを表す道具としての役割も持ちます。そこでキングセイコーはブレスレットに着目。1970年代のモデルで使われていたデザインを踏襲し、無垢のステンレススチールを削り出し多列構造にすることで、アクセサリーとしての存在感を与えました。
ブレスレットひとつひとつのこまが光と影の織りなす陰影をつくり出し、高い重厚感をもたらすだけでなく、長時間の装着を快適にする実用性を兼ね備えています。
キングセイコーは飽くなき精度への追求と、
その「時」を眺める一瞬のきらめきまでを、
計算し尽くされた外装デザインによって表現しています。
キングセイコーとともにある日常の瞬間を光に変え、身に着ける方へ届けます。
無駄を排し、腕時計としての本質を追求していくために。