〈アストロン〉の系譜
1969年にセイコーが世界に先駆けて発売した、クオーツ式腕時計「クオーツ アストロン」。一日あたり数秒~数十秒ずれることが当たり前であった時代に、その100倍以上となる飛躍的な精度の向上を実現し、腕時計の歴史を大きく動かしました。その後、この開発によって生み出された「音叉型水晶振動子」「オープン型ステップモーター」などのキーテクノロジーが公開された事でクオーツ式腕時計の劇的な普及が促されただけでなく、電子デバイス産業全体の省電力技術の発展につながり、今日のような誰もが正確な「時」を手にする社会が生み出されました。
そして2012年9月に誕生したのがGPSソーラーウオッチです。衛星測位システムの人工衛星から発せられる時刻・位置・高度情報を取得して都度誤差を修正することで、10万年に一秒という圧倒的な高精度を実現するだけでなく、腕時計を身に着けている人が所在するタイムゾーンの正確な時刻をボタン一つで示す画期的なこの腕時計は「セイコー アストロン」と名付けられました。「クオーツ アストロン」のように世界中の人々に更に正確な「時」を届けられる革新的な技術を結集した存在として、その名を継承したのです。その後「セイコー アストロン」は、2014年には劇的な小型化に加え、操作性の向上を実現した「8Xシリーズ」を発売。そして2018年11月には、さらなる小型化を図るとともに、高速タイムゾーン修正・タイムトランスファー機能搭載のアストロン史上最高性能を誇る「5Xシリーズ」を発売し、ブランドのルーツである「高精度の追求」と、それを実現するための「絶え間ない進化」を続けています。