誰もが待ち望んでいた“俳優・坂口憲二”が戻ってきた。久々のCMやドラマの出演は、かつての彼を知る人にとっては懐かしく、そして彼を知らなかった人々にとっては新鮮に映る。ではなぜ彼は、再び自身の原点ともいえるチャレンジをすることを選んだのか? その気持ちが「Keep Going Forward」をメッセージとするセイコー プロスペックスと呼応する。
縁とタイミングが、あの場所へと導いた
ーー今回の撮影のため街中に坂口憲二が現れると、あっという間に周囲に人だかりができた。人気俳優として映画やドラマで活躍していた彼だったが大病を患い、キャリアが円熟期に差し掛かる43歳に、無期限で芸能活動を休止して治療に専念し、メディアの前から姿を消した。その後コーヒーブランド「The Rising Sun Coffee」を立ち上げるが、焙煎士として裏方に徹し、自身のブランドであることを語ることはなかった。しかしここにきて徐々にメディアへの露出も増え、さらには俳優としての活動も再開している。
「おかげさまで街中でも声をかけてもらう機会が増えました。数か月前までは、そんな事はなかったので、ちょっとこの状況に面食らっているのも事実です(笑)。こういった仕事のオファーを受けるようになったのは、体調がだいぶ改善してきたということ、そして子育てが落ち着いたので、自分の時間を作れるようになったことも関係しますね。
でも一番は“縁とタイミング”ではないでしょうか。実は去年ぐらいから、こういったお仕事へのオファーはありました。でも、やっぱり踏み切る勇気が出なかった。
しかしドラマ『風間公親-教場0-』の場合は、共演経験のある俳優さんも多く、過去に僕が出演したドラマのスタッフも多く関わっていた。さらに街や海で関係者にばったり会うこともあったので、オファーをいただいたときに『勇気を出して、一歩踏み出してみよう』と前向きに思えたんです」
「ダークグリーンの色合いが素敵ですね。大人っぽいムードもあります。実は最近ゴルフを再開したので、“グリーン”という響きにもひかれるんですよね」と坂口。1968年に誕生したハイビートダイバーズを現代的なデザインに正統進化。4時位置のりゅうずが特徴。24時間で一周するGMT針は、旅先での時差確認に便利。セイコー プロスペックス「SBEJ009」。自動巻、SSケース、200m潜水用防水、ケース径42㎜、ケース厚12.9㎜。218,900円 製品の詳細はこちら ≫
離れていたからこそ、気づいたことがある
「久々の俳優の仕事は、大変でした。広告や雑誌の仕事は自分らしさを出せるので、そこまでブランクを感じることはなかったのですが、役を演じるドラマは違います。当時の感覚を取り戻せるのかなっていう不安はありました。でも昔から知っているスタッフがいたこともあって、他の皆さんもすんなり受け入れてくれましたし、むしろ“久しぶり感”を出さないように接してくれました。
手元に使い慣れたものを置いておきたくて、普段から愛用しているセイコー プロスペックスを撮影現場に何本か持って行き、衣装として使わせてもらいましたし、現場には『The Rising Sun Coffee』を差し入れし、時間があるときは自分でコーヒーを入れたこともありました。コーヒー好きの方が多かったこともあって、距離を縮めるいい時間になりましたね」
ーー久しぶりの現場であったが、そこは住み慣れた家のようでもあった。
「よくコーヒーを美味しく入れるコツを聞かれるんですけど、自分のために入れないことって答えます。誰かのために入れるコーヒーが一番美味しい。その人のことを思って丁寧に入れる気持ちは、絶対に伝わる。誰かを喜ばせるって、大変だけど素敵なこと。それは芝居も同じですよね。舞台であれば目の前にお客さんがいるし、映画やドラマなら作品を見てくれる人がいる。いろんな人に影響やきっかけを与えることができるし、僕自身もたくさんの影響を与えてもらってきました。だからコーヒーを入れることも演じることも、誰かに喜びを与えることという点では同じ事なのかもしれない。何事も、相手のことを思ってやることが大事なのかな」
1965年に誕生した国産初のダイバーズウオッチのデザインを現代的にアップデートしたセイコー プロスペックス「SBDC101」。大きな針とインデックスが作り出すツールウオッチらしい迫力は、時代を超えるタイムレスな魅力がある。自動巻、SSケース、200m潜水用防水、ケース径40.5㎜、ケース厚13.2㎜。167,200円製品の詳細はこちら ≫
今の自分があるから、原点を進化できる
ーー仕事のキャリアの原点でもある“俳優”に戻った形になったが、それは彼のこれからに、どのような影響をもたらすのだろうか?
「まだ今は、俳優ですと名乗れるほどの余裕はないですし、まだ片足ぐらい踏み込んだという感じ。どこか俯瞰でも現場を見ている感覚もありました。でも刺激にもなったし、学びは多かったですね。それになによりも、演じるってやっぱり楽しいなって、再確認できました。緊張しましたし、実際にドラマのオンエアは直視できませんでした。子供たちには、自分が長年やってきたことを見せることができました。日常の僕は、朝起きて波の具合を見て、いい波であればまずサーフィン。それから焙煎所にこもる。でもインターネットで調べれば、俳優の姿もでてくる。だから父がどういう仕事をしているか、うまく認識できていなかったでしょうから(笑)」
ーー今後も俳優のオファーが続いたら、どう動くのだろうか?
「そもそも俳優としてのキャリアをリ・スタートするのなら、今の自分として演じることができる役で始めたいという思いはあった。休んでいた時間があったからこそ、原点に戻るときは、新しいことをやりたい思いが強くなったのは間違いないですね。
それはコーヒーの仕事でも同じです。今年はコーヒー好きになるきっかけになった原点、ポートランドに行きたい。GMT機能の付いたセイコー プロスペックスのダイバーズウオッチと一緒にね。あそこでいろいろな刺激を受けたい。きっと以前とは、見える景色も感じる印象も異なるでしょうね」
ーー俳優というステージから離れていたからこそ、坂口はある種の挑戦心を持って、再び新しい仕事に挑むことができた。そしてその経験がまた自分を進化させる。時間は止まらないが、流れた時間は無駄ではないのだ。
海を守る活動と連動するSave the Oceanモデルで、メタルブレスレットの他にペットボトル再生素材から作られたファブリックストラップも付属するセイコー腕時計110周年記念限定モデル。雄大な氷河の質感を立体的なアイスブルーのダイヤルで表現している。世界限定4000本(うち国内700本)。セイコー プロスペックス「SBEJ013」。自動巻、SSケース、200m潜水用防水、ケース径42㎜、ケース厚12.9㎜。231,000円 製品の詳細はこちら ≫
坂口 憲二(さかぐち・けんじ)
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1975年東京都出身。モデル、俳優を経て、現在はコーヒーの焙煎士として活動。2018年にコーヒーブランド「The Rising Sun Coffee」を立ち上げ、コーヒー店を千葉、東京、神奈川、およびECサイトで展開中。さらにグッズやアパレルの開発にも力を入れている。そして再び雑誌やCM、ドラマなど、活動の幅を広げつつある。